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更新日:2018年2月17日

 新編安城市史11資料編自然別冊「植物目録」

 解説   

 この目録はシダ植物と種子植物を対象とした。
  作成するにあたっては、証拠となる採集標本が確認されたものだけで作成したので、 未採集の植物については普通に見られるものでも除外してある。また、過去に報告がある植物でも標本が確認できなかったものは除外した。ただ、畔柳(1978)に生態写真及び 植物目録に載せられているものについては所属科または属の末尾にコメントを記した。
  確認できた標本は1,050点で、その大部分は堀田によって1991年~2002年に採集されたものである。そのほか小林によって1998年~2004年に採集されたもの、愛知教育大学標本室などに保管されている畔柳英一氏、畔柳英夫氏、中村さとこ氏などの採集標本を もとに維管束植物目録を作成した。
  この目録の科の区分と配列は岩槻(1992)、佐竹ほか(1981~1982)、佐竹ほか(1989)に従った。また、科内の種の配列は学名のアルファベット順とし、雑種はその属の最後にまとめた。帰化植物は和名の前に「*」、植栽・野生化・国内移入は同様に「#」を つけて、本来の自生と区別した。
  目録における引用標本は1種類につき1点とした。引用した標本は、堀田が採集したものを優先して引用し、堀田が未採集の植物については小林が採集したものを引用した。 そのほか、両者が未採集のものについては、小林が確認した標本だけを引用した。目録は和名、学名、生育量、引用標本の採集者、標本番号、採集日の順とした。
  採集者は次の略号で表した。

  Ho:堀田 喜久 Ko:小林 元男 Ku:畔柳 英一 Ke:畔柳 英夫 Se:芹沢 俊介
  Mm:村松 正雄 Ns:中村 さとこ Oz:岡田 善敏 

   生育量の基準は次のとおりとした。
  多:普通どこでも見られるもの
 少:注意して探せば見つかるもの
 稀:特定の数か所の生育地しか確認されていない稀なもの
 ごく稀:1~2か所の生育地しか確認されていないごく稀なもの
 絶滅:過去に採集された標本はあるが、1980年以降採集されていないもの。
      またそれ以降に採集されていても、絶滅が確認されているもの。

  参考文献
 畔柳英一,1978.安城の植物.安城文化協会,安城.
岩槻邦男,1992.日本の野生植物 シダ.平凡社,東京.
 佐竹義輔ほか,1981~1982.日本の野生植物 草本Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ.平凡社,東京.
 佐竹義輔ほか,1989.日本の野生植物 木本Ⅰ,Ⅱ.平凡社,東京.
その他の引用及び参考文献は本編を参照のこと。


《目録収録データサンプル》

 安城市植物目録


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 シダ植物  PTERIDOPHYTA
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

   ヒカゲノカズラ科  Lycopodiaceae
ミズスギ  Lycopodium cernuum L.                   (写真:本編397,440ページ)
 ごく稀 Ho No. 6824 19990429
 本編397ページを参照のこと。
#ヒカゲノカズラ  Lycopodium clavatum L.
 ごく稀 Ho No. 6773 19990417
 日当たりのよい湿った法面などに生育している。鯉の産卵用に使用する。安城市では
国道23号の法面で確認した。おそらく盛り土についてきたものであろう。
 畔柳(1978)は目録で本種を載せ、生育場所を矢作堤としているが、現地では標本を
含め確認できなかった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
  イワヒバ科  Selaginellaceae
#カタヒバ  Selaginella involvens (Sw.)Spring
 稀 Ho No. 5981 19980801
 通常山地の岩場に生育する。庭の岩などに植えられ、時に野生化している。
#コンテリクラマゴケ  Selaginella uncinata (Desv.)Spring
 稀 Ho No. 6466 19980920
 中国原産の常緑性シダで寺院などに植えられ、湿った林内に野生化している。葉は表
面が紺色の光沢があり、和名はこの光沢、紺照からついた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
  トクサ科  Equisetaceae
スギナ  Equisetum arvense L.                         (写真:本編301ページ)
 多 Ho No. 6646 19990402
 ツクシ摘みで最も馴染みのあるシダの一つで、路傍などやや湿った酸性土壌に群生す
る。雑草として嫌われるが、消石灰による土壌のアルカリ化を図れば簡単に退治できる。
ミモチスギナ  Equisetum arvense L.   f. campestre (C.F.Schultz)Kinge
 ごく稀 Ho No. 75222 20000423
 栄養茎に胞子のう穂(ツクシ)をつけたもので、除草剤を散布されるとこの型がでる
場合がある。
イヌスギナ  Equisetum palustre L.                     (写真:本編399ページ)
 ごく稀 Ko No.68733 20000423
 本編399ページを参照のこと。
イヌドクサ  Equisetum ramosissimum Desf.              (写真:本編399ページ)
 稀 Ho No. 6793 19990417
 本編400ページを参照のこと。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
   ハナヤスリ科  Ophioglossaceae
オオハナワラビ  Botrychium japonicum (Prantl)Underw.  (写真:本編425ページ)
 ごく稀 Ko No.74072 20011103
 本編425ページを参照のこと。
フユノハナワラビ  Botrychium ternatum (Thunb.)Sw.     (写真:本編425ページ)
 ごく稀 Ko No.74073 20011103
 本編425ページを参照のこと。
 畔柳(1978)はコヒロノヘノヘナヤスリの写真を載せているが、今回の調査では標本
等は確認できなかった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
   ゼンマイ科  Osmundaceae
ゼンマイ  Osmunda japonica Thunb.                     (写真:本編312ページ)
 少 Ho No. 3293 19940507
 ワラビと並んで山菜として最も知られているシダの一つで、湿った草地や林内に群生
する。安城市では矢作川の堤防にやや多く見られるほかは少ない。
ハゼンマイ  Osmunda japonica Thunb.  monst.
 ごく稀 Ho No. 3632 19850427
 栄養葉の上部に胞子のうをつける奇形のものをいう。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
   ウラジロ科  Gleicheniaceae
コシダ  Dicranopteris linearis (Burm.fil.)Und.        (写真:本編420ページ)
 稀 Ho No. 6028 19980801
 本編419ページを参照のこと。
ウラジロ  Gleichenia japonica Spreng.                 (写真:本編420ページ)
 ごく稀 Ho No. 6828 19990429
 本編419ページを参照のこと。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
   フサシダ科  Schizaeaceae
カニクサ  Lygodium japonicum (Thunb.)Sw.              (写真:本編336ページ)
 少 Ho No. 5937 19980725
 つる性の夏緑性のシダで、樹木などにからみついて長く伸びる。庭にも生えてやっか
いな雑草になっていることもある。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
   コバノイシカグマ科  Dennstaedtiaceae
イヌシダ  Dennstaedtia hirsuta (Sw.)Mett. ex Miq.
 絶滅 Ke No.  -     -
 通常、山間部の石垣などに多く生育するが、低地ではごく稀にしか見られない。安城
市では愛知教育大学に畔柳英一氏が採集された採集地が市内としか記されていない標本
が保管されている。また、畔柳(1978)は目録で赤松町を産地として記しているが、今回
の調査では確認できなかった。
#コバノイシカグマ  Dennstaedtia scabra (Wall. ex Hook.)Moore
 ごく稀 Ho No. 7093 19990718
 山地の林内に多い。安城市では和泉町の国道23号線の法面で確認した。おそらく盛り
土についてきたものであろう。
イワヒメワラビ  Hypolepis punctata (Thunb.)Mett. ex Kuhn
 少 Ho No. 7192 19990811
 山地の伐採地や林縁など明るい所に多く、低地ではごく稀。安城市では稀で、台地の
縁など数か所で確認できたにすぎない。
フモトシダ  Microlepia marginata (Panzer)C.Chr.          
 稀 Ho No. 5756 19980606                    
 山地の林内や林縁に多く、低地ではごく稀。安城市では稀で、木戸町などで数か所
確認できたにすぎない。
ワラビ  Pteridium aquilinum (L.)Kuhn  var. latiusculum (Desv.)Und. ex Hell.
 少 Ho No. 7117 19990731                              (写真:本編312ページ)
 ゼンマイとともに山菜として最も知られているシダの一つで、やや乾燥した草地に
群生する。安城市では矢作川の堤防にやや多く見られるほかは少ない。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
   ホングウシダ科  Lindsaeaceae
ホラシノブ  Sphenomeris chinensis (L.)Maxon
 少 Ho No. 3468 19940731
  日当たりのよい崖などに生える常緑性のシダで、丘陵地に多く見られる。葉身は3~
4回羽状複葉で、冬季に紅葉する美しいシダの一つである。安城市では台地の縁の斜面
や切通しにやや稀に見られる。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
   シノブ科  Davalliaceae
#シノブ  Davallia mariesii Moore ex Baker
 絶滅 Ho No.  723 19850705
 シノブ玉として古くから栽培される馴染み深い夏緑性のシダ。山地の樹幹や岩場に着
生する。安城市では上条町の寺院の樹木に着生していたもので、おそらく植えられたも
のであろう。現地では最近消滅した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
   ホウライシダ科  Parkeriaceae
ミズワラビ  Ceratopteris thalictroides (L.)Brongn.    (写真:本編325ページ)
 多 Ho No.  734 19930902
 主に水田に生える。 1990年代初頭までは稀なもので、絶滅が危惧されるほどであった
が、最近増加傾向が著しく、安城市では水田や溝にふつうに見られるようになった。時
に、富栄養化した溝に高さ30cmに巨大化したものも見られる。
イワガネソウ  Coniogramme japonica (Thunb.)Diels      (写真:本編356ページ)
 ごく稀 Ho No. 7064 19990606
 山地の湿った林内に多いが、低地では稀。安城市では和泉町丈山苑にわずかに見られる。
 畔柳(1978)は目録でイワガネゼンマイの産地として別郷町を記しているが、今回の
調査では標本を含め確認できなかった。
タチシノブ  Onychium japonicum (Thunb.)Kunze
 ごく稀 Ho No. 7066 19990606
 石垣や明るい林内に多い。安城市では数か所で確認されただけである。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
   イノモトソウ科  Pteridaceae
イノモトソウ  Pteris multifida Poir.                (写真:本編336ページ)
 少 Ho No. 5847 19980711
 民家の石垣などに生える。安城市では点在している。
モエジマシダ  Pteris vittata L.                      (写真:本編432ページ)
 ごく稀 Ho No. 6574 19981024
 本編432ページを参照のこと。
 なお、畔柳(1978)は目録でオオバノイノモトソウの産地として和泉町を記している
が、今回の調査では標本を含め確認できなかった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
  チャセンシダ科  Aspleniaceae
トラノオシダ  Asplenium incisum Thunb.
 少 Ho No. 5850 19980711
 民家の石垣などに生える。安城市では点在している。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
  シシガシラ科  Blechnaceae
シシガシラ  Blechnum niponicum (Kunze)Makino
 ごく稀 Ko No.67784 19991031
 本編419ページを参照のこと。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
  オシダ科  Dryopteridaceae
ハカタシダ  Arachniodes simplicior (Makino)Ohwi       (写真:本編426ページ)
 ごく稀 Ko No.66255 19990523
 本編425ページを参照のこと。
 畔柳(1978)はコバノカナワラビとして写真を載せているが、ハカタシダの誤認であ
る。また、目録ではコバノカナワラビの産地として和泉町を記しているが、ここにはハ
カタシダがあるので、おそらく写真のものをコバノカナワラビと誤認したのであろう。
オニカナワラビ  Arachniodes simplicior (Makino)Ohwi  var. major (Tagawa)Ohwi
 ごく稀 Ho No. 6156 19980816                           (写真:本編426ページ)
 本編425ページを参照のこと。
リョウメンシダ  Arachniodes standishii (Moore)Ohwi
 ごく稀 Ho No. 3322 19940514
 山地の湿った林内に優占する。安城市では元々適地がなく、尾崎町などで少数株を
確認したにすぎない。
ナガバヤブソテツ  Cyrtomium devexiscapulae (Koidz.)Ching
 稀 Ho No. 5846 19980711
 オニヤブソテツに似て葉には光沢があるがやや薄く、基部が広いくさび形なので区別
できる。民家の石垣などに生える。安城市では点在している。
オニヤブソテツ  Cyrtomium falcatum (L.fil.)Pr.
 稀 Ho No. 4686 19951002
 海岸の岩場などに多い。安城市では日当たりのよい石垣で稀に見られる。
テリハヤブソテツ  Cyrtomium laetevirens (Hiyama)Nakaike
 少 Ho No. 5849 19980711
 民家の石垣などに生える。安城市では点在している。
ヤブソテツ  Cyrtomium fortunei J.Sm.
 稀 Ho No. 5757 19980606
 林縁や湿った石垣に生える。安城市では数か所で確認している。

(安城市に生育するヤブソテツ属の見分け方)

1 羽片は厚いかやや厚い革質で光沢があり、先端まで全縁
 2 羽片は厚い革質で基部は円形 ------------------------------ オニヤブソテツ
 2 羽片はやや厚い革質で基部は広いくさび形 ---------------- ナガバヤブソテツ
1 羽片はやや薄い革質または紙質で、先端付近に鋸歯がある
 2 羽片は15~30対で光沢がない ---------------------------------- ヤブソテツ
 2 羽片は5~10対でやや光沢がある ------------------------- テリハヤブソテツ

サイゴクベニシダ  Dryopteris championii (Benth.)C.Chr. ex Ching
 稀 Ho No. 5834 19980711
 山地のやや乾燥した林内などに多い。安城市では数か所で確認できたにすぎない。
ミサキカグマ  Dryopteris chinensis (Baker)Koidz.   (写真:本編427,439ページ)
 ごく稀 Ko No.67783 19991031
 本編427ページを参照のこと。
オシダ  Dryopteris crassirhizoma Nakai                (写真:本編427ページ)
 ごく稀 Ho No. 3310 19940514
 本編427ページを参照のこと。
ベニシダ  Dryopteris erythrosora (Eat.)O.Kuntze        (写真:本編336ページ)
 多 Ho No. 3281 19940507
 愛知県ではやや乾燥した林内に最もふつうに見られるシダ植物の一種で、安城市では
ちょっとした藪や屋敷の北側などふつうに見られる。
オオベニシダ  Dryopteris hondoensis Koidz.
 少 Ho No. 6056 19980810
 やや乾燥した林内に生育するが、ベニシダほどは多くない。和名のようにベニシダより
大きい訳ではない。
ギフベニシダ  Dryopteris kinkiensis Koidz. ex Tagawa   (写真:本編336ページ)
 少 Ho No. 5089 19960113
 民家の石垣などに生える。安城市ではベニシダと並んで最も多く見られるシダ植物の
一つである。
トウゴクシダ  Dryopteris nipponensis Koidz.
 ごく稀 Ho No. 6169 19980816
 和名は名古屋市と瀬戸市境の東谷山で発見されたためついた。
オオイタチシダ  Dryopteris pacifica (Nakai)Tagawa      (写真:本編336ページ)
 稀 Ho No. 5848 19980711
 葉は硬い紙質で光沢がある特徴がある。安城市では和泉町など数か所で確認できたに
すぎない。
ヒメイタチシダ  Dryopteris sacrosancta Koidz.          (写真:本編349ページ)
 ごく稀 Ho No. 6030 19980801
 山地のやや乾燥した林内などにやや多い。安城市では別郷町で1か所少数株を確認
できたにすぎない。
オクマワラビ  Dryopteris uniformis (Makino)Makino
 少 Ho No. 6017 19980801
 民家の石垣から山地の林内まで多様な環境に生える。葉の上半分にしか胞子がつかない
ので識別は容易である。畔柳(1978)は目録でクマワラビの産地として今本町を記して
いるが、今回の調査では標本を含め確認できなかった。クマワラビは山地に多く、低地
では見られないものなので、おそらくオクマワラビの誤認であろう。
アイアスカイノデ  Polystichum longifrons Kurata
 絶滅 Ho No. 6979 19990523
 山地の湿った林内に多い。安城市では和泉町丈山苑で1か所確認されたが、最近消滅した。
イノデ  Polystichum polyblepharum (Roem. ex Kunze)Pr.   (写真:本編356ページ)
 ごく稀 Ho No. 6977 19990523
 山地の湿った林内に多い。安城市では和泉町丈山苑で1か所少数株を確認できたにすぎない。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
  ヒメシダ科  Thelypteridaceae
ホシダ  Thelypteris acuminata (Houtt.)Morton
 少 Ho No. 6029 19980801
 乾燥した林縁などに群生する。和名のごとく、葉の先に頂羽片があるので区別は容易
である。
コゲジゲジシダ  Thelypteris decursive-pinnata (van Hall)Ching
 稀 Ho No. 7079 19990614
 湿った法面などに多い。安城市では北山崎町と西別所町の法面で確認している。ゲジ
ゲジシダは最近コゲジゲジシダとオオゲジゲジシダに分けられている。
#イヌケホシダ  Thelypteris dentata (Forst.)St.John      (写真:本編336ページ)
 多 Ho No.  545 19930813
 民家の石垣などに野生化している熱帯系のシダで、ホシダに似て全体に毛を密生する
ので区別できる。最近増加している。
ハシゴシダ  Thelypteris glanduligera (Kunze)Ching
 稀 Ho No. 6579 19981107
 やや乾いた明るい林内に生える。
コハシゴシダ  Thelypteris angustifrons (Miq.)Ching
 稀 Ho No. 5824 19980704
 やや乾いた明るい林内に生え、ハシゴシダに似て全体に小型で最下前側の羽片が離れて
いるので区別できる。
ハリガネワラビ  Thelypteris japonica (Baker)Ching
 稀 Ho No. 6379 19980905
 やや湿った明るい林内に生える夏緑性のシダで葉柄が黒褐色の特徴がある。愛知県には
ふつうに見られるが、安城市では尾崎町など数か所に限られる。
アオハリガネワラビ  Thelypteris japonica (Baker)Ching   f. musashiensis Hiyama
 ごく稀 Ho No. 1388 19851016
 ハリガネワラビに似て、葉柄がわら色になるもので、湿地に生育する。
ヤワラシダ  Thelypteris laxa (Franch. et Savat.)Ching
 稀 Ho No. 7297 19991024
 やや湿った明るい林内に生える夏緑性のシダで、ハシゴシダに似て葉脈の先端が葉の
辺縁まで達しているので区別できる。
ヒメシダ  Thelypteris palustris (Salisb.)Schott         (写真:本編428ページ)
 ごく稀 Ho No. 4516 19950902
 本編428ページを参照のこと。
ミドリヒメワラビ  Thelypteris viridifrons Tagawa
 稀 Ho No. 3488 19940821
 林縁など明るい所に生える大形のシダで、葉の表面が鮮緑色の特徴がある。愛知県では
ふつうに見られるが、安城市では数か所で確認している。畔柳(1978)は目録でヒメワラビ
の産地として各所と記しているが、今回の調査では標本を含め確認できなかった。ヒメ
ワラビは山地性なので、おそらくミドリヒメワラビの誤認であろう。また、ミゾシダも
産地として各所と記しているが、今回の調査では標本を含め確認できなかった。ミゾシダは
山地の湿った所に生えるので、おそらくシケシダの誤認であろう。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
  イワデンダ科  Woodsiaceae
イヌワラビ  Athyrium niponicum (Mett.)Hance
 稀 Ho No. 6570 19981024
 やや湿った明るい林内や林縁に生える夏緑性のシダで、愛知県ではごくありふれたシダ
の一つであるが、安城市では数か所で確認できたにすぎない。
ヤマイヌワラビ  Athyrium vidalii (Franch. et Savat.)Nakai
 絶滅 Ke No.  -   19730720
 県内では山地のやや湿った林内にごくふつうに見られる夏緑性のシダ植物で、採集地は
木戸神社森と記載されていたが、おそらく木戸町春日神社と推定される。
ヒロハイヌワラビ  Athyrium wardii (Hook.)Makino
 絶滅 Ho No.  670 19850629
 山地のやや湿った林内に生える夏緑性のシダで、愛知県にはやや多く見られる。安城市
では1985年に小川町で採集されているだけで、その後確認されていない。
ホソバシケシダ  Deparia conilii (Franch. et Savat.)M.Kato
 ごく稀 Ho No.  540 19930812
 湿った山地の林内などに生える夏緑性のシダで、愛知県では山地には少なくないが、
平地ではごく稀。安城市では西別所町で確認している。
シケシダ  Deparia japonica (Thunb.)M.Kato              (写真:本編336ページ)
 多 Ho No. 5813 19980704
 和名のごとく溝や湿った林内などに多い。安城市でもふつうに見られるシダの一つである。
ナチシケシダ  Deparia petersenii (Kunze)M.Kato
 ごく稀 Ho No. 7300 19991024
 沿岸地方の石垣や溝、林下などに見られるシダで、シケシダに似るが葉身の幅が狭く
包膜の辺が毛のように細裂する。葉質は厚く、葉の表面に光沢がある。安城市では東端町
などでごく稀に確認されている。
イヌガンソク  Onoclea orientalis (Hook.)Hook.
 絶滅 Ho No.  653 19850628
 通常、山地の林縁などに生える。胞子葉を生花の材料に使う。安城市では1985年に
高木町で採集された標本があるだけで、その後確認されていない。
クサソテツ  Matteuccia struthiopteris (L.)Todaro       (写真:本編428ページ)
 ごく稀 Ho No. 7101 19990731
 本編427ページを参照のこと。
コウヤワラビ  Onoclea sensibilis L.  var. interrupta Maxim.
 ごく稀 Ho No. 3228 19940503
 湿った河川敷や草地に群生する。安城市では矢作川の河川敷にごく稀に見られる。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
  ウラボシ科  Polypodiaceae
マメヅタ  Lemmaphyllum microphyllum Pr.                 (写真:本編326ページ)
 ごく稀 Ho No. 3338 19940514
 暖地の岩上や樹幹に着生する栄養葉が円形~楕円形で肉質の特徴ある形をしている。
愛知県では山地に多いが、低地ではごく稀で、安城市では野寺町など2か所で確認した。
ノキシノブ  Lepisorus thunbergianus (Kaulf.)Ching       (写真:本編345ページ)
 少 Ho No. 5711 19970505
 樹木や岩場にごくふつうに着生する。安城市では社寺林や民家の大木などに見られるが、
そんなに多くはない。
#ヒトツバ  Pyrrosia lingua (Thunb.)Farwell
 稀 Ho No. 5712 19970505
 暖地の岩上や樹幹に着生する。安城市では寺院などに稀に見られるが、おそらく植え
られたものであろう。畔柳(1978)は目録でミツデウラボシの産地として里町と大岡町を
記しているが、今回の調査では標本を含め確認できなかった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
  サンショウモ科  Salviniaceae
#オオサンショウモ  Salvinia rotundifolia Willd.
 ごく稀 Ho No. 3203 19871004
 原産地不明で、在来のサンショウモに比べ大きく、常緑性なので区別できる。安城市
では別郷町の側溝に野生化している。

(以下略)

 

 

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